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Channel: スポーツナビ+ タグ:大鵬
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横綱白鵬に問う

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兄弟子日馬富士が気迫溢れる相撲で白鵬を破り、それと同時に照ノ富士の初優勝が決まった。涙する照ノ富士、それを祝福するように同部屋の宝富士、安美錦、誉富士が笑顔で寄り添い、間垣部屋時代から照ノ富士が兄のように慕う駿馬、照矢も寄り添い涙する。何て感動的なシーンなのだろうか、そして伊勢ヶ濱部屋の家族のような温かみが感じられるシーンでもあった。しかしそれとは対照的に優勝を逃した白鵬は、またしても孤独であった。初場所の騒動以降、春場所の優勝インタビューを除き口を閉じ続け、一躍ヒール役へとなった。今場所の豪栄道戦も微妙な勝負となったが物言いが付かず、土俵下でただただ呆然と立ち尽くすだけ。間違いなくこの取り組みで白鵬の心理状態が崩れたと言っていいだろう。果たして白鵬が4敗する事を想像していた者はいるのだろうか。そしていったい白鵬は今後何を目指して相撲をとるのだろうか。尊敬する大横綱の大鵬の最多優勝回数を塗り替え、朝青龍を失ったことでライバルも存在しない、しまいには対戦相手の名前が館内中にコールされ響き渡る。横綱たるもの泰然自若でこそ、あるべき姿かもしれないが、今の状況はあまりにも酷なのである。確かに自分で蒔いた種かもしれないが、あまりにも可哀想である。そんな状況で黙々と相撲を取り続ける白鵬の精神力も見事であって、遥々モンゴルからやって来ているということ事も考えると尚更である。そして今場所、白鵬のプツりと切れてしまった気持ちは名古屋場所までにはきっと戻してくるだろう。ただ今の状況は容易ではない事は確かである。ただこんなところで潰れてしまうような男ではない。誰もが憎むくらいに勝って勝って勝ち続けることこそが白鵬の姿なのかもしれない。もう誰も立ち入る事のできない領域に辿りついてしまったのかもしれない。だから白鵬に私は訊きたい。いったいどんな事を思って毎日相撲をとっているのか。そして絶対に忘れてはならないのは、数々の不祥事がありながらも、相撲界を潰さずに今こうして人気が回復したのは、紛れもなく白鵬という存在があったからだと言うことを。

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